ゆっくりタイピング

60代・70代からタッチタイピングは身につく?

公開 2026年9月26日

身につけることはできます。年齢で「できない」と決まるという研究は見当たりません。ただし、はじめは若い人より時間がかかるのがふつうです。

目指すのは「速さ」より「手元を見ずに、間違えずに」。時間に追われない練習で、毎日少しずつ進めるのが向いています。

年齢とタイピングについて、研究で分かっていること

年配の熟練した人は、若い人と同じ速さで打っていた

19〜72歳のタイピストを調べたアメリカの研究(Salthouse、1984年)では、年配の人は指を素早く動かす速さや、合図に反応する速さは若い人より遅いのに、タイピングの速さは遅くありませんでした。年配の人は、打っている文字より先の文字まで読んで準備していたためと説明されています。

これは長年打ってきた人の研究で、60代から新しく始める人を調べたものではありません。「年齢による遅さは、慣れと先読みで補える場合がある」という話として読んでください。

はじめのうちは、1キーに時間がかかる

65〜83歳の19人と21〜31歳の19人に、パソコンで短い文を書いてもらったイスラエルの研究(Kalman ほか、2015年)では、1キーあたりにかかった時間は、若い人が平均0.27秒、年配の人が平均1.43秒でした。年配の人の中でも0.31秒から3.68秒まで、人によって大きな差がありました(考える時間も含みます)。

時間がかかるのは、年配の方にとってふつうのことです。制限時間のある練習で焦る必要はありません。

60代から新しく覚える人を調べた研究は

60代・70代の初心者が、タッチタイピングを一から覚える様子を追った研究は、今回探した範囲では見つかりませんでした。「何か月で身につく」と言える根拠はない、というのが正直なところです。

定年後に始めた方の記録

ブログ「親父の朝」の筆者は、60歳でパソコン教室に3か月通ったのをきっかけにタッチタイピングを始め、毎日30〜45分の練習を続けています。始めて約1年半の記事では「スピードより正確さ」「ミスが0になるまでくり返す」を大事にしていると書き、約2年たった記事では、練習サイト「e-typing」の検定対策の模擬試験で3級はクリアできるようになった一方、「1秒に5回を超えるキー入力はできたことがない」と、伸び悩みも正直に書いています(1年半の記事・約2年の記事)。

60代から始めても、毎日続ければ検定の3級の水準まで進める。そして速さには伸び悩む時期がある。どちらも、これから始める方の参考になります。

なお、「高齢になってタッチタイピングを練習した人はいますか」という質問サイトの問いには、高齢になってから始めた人の具体的な体験談はほとんど寄せられていませんでした(2026年9月26日に確認)。

60代・70代でパソコンを使う人は多い

総務省の「令和7年 通信利用動向調査」(令和7年8月末時点)では、インターネットを使っている人の割合は、60代で91.2%、70代で71.9%、80歳以上で37.1%でした。パソコンに限った数字ではありませんが、この年代でデジタル機器を使う人は、もう少数派ではありません。

60代・70代から始めるときの進め方

  1. はじめは手元を見てよい。キーの場所を覚えるまでは、画面と手元を見比べてかまいません。
  2. 人差し指を F と J に戻す。この2つのキーの出っぱりが、指の帰る場所です。くわしくはホームポジションの覚え方で。
  3. 毎日、短く。長く1回より、短く毎日のほうが覚えやすいという研究があります(上達のコツでくわしく)。
  4. 正確さが上がってから、手元を見ない練習へ。速さはいちばん最後です。

年を重ねてからの練習で、気をつけたいこと

「ゆっくりタイピング」は、時間制限なし・大きな文字・登録不要の無料練習です。つぎに打つキーと使う指が、キーボードの図で光ります。

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よくある質問

70代から始めても、手元を見ずに打てるようになりますか?
年齢で「できない」と決まるという研究は見当たりません。ただ、はじめは若い人より1キーに時間がかかるのがふつうです。急がず、F と J に指を戻すことと正確さを先に練習すると、キーの場所を少しずつ手が覚えていきます。
どれくらいの期間で身につきますか?
人によって大きく違い、何か月と言える根拠のある目安はありません。定年後に始めた方のブログでは、毎日30〜45分の練習を約2年続け、練習サイトの検定対策の模擬試験で3級をクリアできるようになったと書かれています。期間より、毎日少しずつ続けることを目標にしてください。
速く打てなくても意味はありますか?
あります。メールや調べものに必要なのは、速さより「間違えずに打てること」です。手元と画面を行き来しなくてよくなるだけで、目も疲れにくくなります。

出典(2026年9月26日に確認)